VBAプログラミング学習

Ⅰ はじめに

  • ① プログラミング教育導入の背景について
  •  私たちの生活は、コンピュータなどの情報機器やコンピュータによってもたらされる情報なくしては成り立たなくなっています。そして、「人工知能などのテクノロジーの進化で職業がなくなるのではないか」「学校で教えていることが社会に出たときに通用しないのではないか」という不安の声も上がっています。このような状況の中、文部科学省は、子どもたちが将来どのような仕事に就くとしても、コンピュータを理解して活用する力は極めて重要になってきていると考えています。

  • ② プログラミング学習について
  •  プログラミング教育のスタートとなる小学校段階では、コンピュータを使って行うプログラミング学習とコンピュータを使わずにアンプラグドで行うプログラミング学習の意見がネット上で見られます。文部科学省で示されている「小学校プログラミング教育の手引き」ではコンピュータを使ってプログラミング学習を進めるようにと書かれています。したがって、6年間のどこかの段階からはコンピュータを使ったプログラム学習をすべきと考えます。

  • ③ プログラミング的思考について
  •  複雑な問題を解決できるように小さな問題に分けて、問題を解決しやすくする分解という見方・考え方、目的に応じて適切な属性(性質)を取り出して、他の部分を捨てるという捨象という見方・考え方、ものごとの類似性や関係性を見出して、別の場合でも利用できるようにする一般化という見方・考え方などは数学的な見方・考え方です。このような見方・考え方のもと、効率的で最適な問題解決の手順を考えることがプログラミング的思考と言えます。このような点から算数・数学の内容をプログラミング学習の題材として取り上げることは適していると考えます。文部科学省は、「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力が必要になる。」と述べています。

Ⅱ VBAを薦める理由

  • Excelは最初からプログラミングの開発環境が整っています。そして、小学校ではWindowsパソコンが多く普及し、VBAのことを解説した本やネットのサイトがたくさんあります。
  • Excelはエラーが起きた時のデバッグ環境もあります。スクラッチではそういう機能は見当たりません。小学校のプログラミング教育を支える言語はビジュアルプログラミング言語(スクラッチなど)ですが、一般社会の要請はテキストプログラミングです。
  • 業者の作ったソフトやロボットセットは完成されたもので自由に変えられませんが、Excelで作ったものは先生間の教材研究を通して、より良いものに変えることができます。
  • 教科の単元目標を達成させるのはこれまでのような授業を通してです。したがって、プログラミング教育は確実な理解を補完するものであり、発展させるものでなければならないと考えます。けっして、楽しみだけのプログラミングを体験させるものではないと考えます。